2017年12月1日金曜日

『川を歩いて、森へ』天野礼子

まさとし目利き書房より。

カフェが繁盛していると、読書ははかどる。カウンターから身動きがとれないときには本を読む。知的好奇心を満たすためにもいらっしゃいませ。


中央口論新社。
2017年2月。

闘うアマゴ大好きガールの人生の記録。魚が好きで、その魚のいる川が好きで、川を川でなくす輩や政策に体当たりしていくうちに、サケのように川から森へ導かれていく。
何度死にかけても川の神様に生かされてきた。
脳動静脈奇形という、10万人に一人の血管異常もなんのその。それがしかも物書きの最も大事な「言語」と「思考」にかかわるところにあるのは100万人に一人くらいの確率らしい。
タフな心はそのへんからも起因しているのかもしれない。そんなこともあっけらかんと、カミングアウト!という気もなくさらっとしちゃうあたりも、潔い。男前だ。見習いたい。

開高健さん、野田知佑さん、ニコルさん、辰野勇さん、菅直人さん、鳩山由紀夫さん‥そうそうたる登場人物たち。

『わが日本には、三万本もの川がある。‥三万本もの川を狭い国土に持つわが国は「川の国」であると言えるが、また多くの森を持つ「森の国」とも言え、四方を海に囲まれる「海の国」とも言えるだろう。』

出だしから考えた。
ぼくはいったい何本の川を知っているだろうか。

p.191『「森は海の恋人」であったが、「海もやはり森の恋人」だったのだ。川は、森と海の間をとりもつ"キューピッド"にちがいない。』
日本の自然という全体の個とをぼくは何も知らない。

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