2017年6月6日火曜日

足りないぴーす


この頃は毎日、店にいる。ツアーに出たのは団体のときくらいか。メインを張るのは川だけだ。
働いてはいるのだが、湖にはいない。湖に出れる人間はまあいる。こなすべき雑務をこなす人はそういない。どちらもイケる口というのもそういない。
役割は回る。慣れてきた。「いらっしゃいませ」がぎこちなくなくなってきた気もする。
諦め?成長?殺しているのか?妬ましいのか?

メールではいくらでも断れる問い合わせ。電話に弱い。弱すぎる。相手が生身の存在であることを無視できる無神経な冷酷さが欲しい。
人に口を酸っぱくして教え込んでいることほど、自分が一番できていない。事務作業には一切必要ない情。
出ようとすればツアーに出れる。これがぼくの幸であり不幸。浮気者の特権的苦しみであり、勿論喜びともなり得るのだが。
ツアーのために店を空にするべきではない。たとえ、カフェではない店だとしても。

店にいる自分のアイデンティティを奪うのは、誰でもない、ガイドのぼく。
ほーりーとふたりで苦しみまくったあの年をもう忘れたのか?

どちらかであることがどちらかをしんどくさせるが、どちらか以外の選択肢は今は無い。どちらもが同時に笑うことはあり得るのだろうか。
スカートとズボンは同時に履けるのか?ネクタイとエプロンは?ブラジャーと海パンは?

正解は分かっている。誰に何を言われようとも、着たいモノを着ればいいだけ。

足りないぴーすが集まりだしている。もぞもぞもぞ。
何のために?とかじゃなくて、過去でも未来でもなく、今を。
にんげんらしさ。

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