2017年3月18日土曜日

『ヴァルキリーズ』パウロ・コエーリョ

パウロ6冊目。
自らの体験を描いた『星の巡礼』の続編。
今回の舞台は砂漠。パウロだけでなく妻クリスも登場。クリスがまた魅力的な女性で目が離せない。

『ヴァルキリーズ』パウロ・コエーリョ 訳 山川紘矢+山川亜希子 角川文庫

あの歌声は、眼差しや微笑みは、強さは、パウロ作品の主人公(だいたいが女の人)たちに通ずる気がする。今夜はステップの青い空の下にトリップしていた。『ザーヒル』の舞台地である。
何かや誰かに身を委ねる気持ちよさはなんだろう。涙に意味なんてない。
本の中と現実とが結ばれたような。遥か昔から人間が表現し続けているものは、愛以上でも愛以下でもない。
ぼくにとって、カヌーは技術云々で乗りこなすというより、もっと揺らぎのある存在としての側面が強く、言葉の届かない、感じることでしか辿り着けない世界へ導いてくれる替えのきかない道具。
エクスタシー、恍惚感をカヌーほど味わえる乗り物をぼくは他に知らない。
カヌーにぼくが求め、カヌーがぼくに与えてきたものについて、誰かと共感できたことはあまりない。
その思惑は誰にでも伝わらない、気づかれない、理解もされ難い。しかし、確かにそれは起こりえるはずなのだ。誰にでも。
ぼくはその世界に到達したい人がいたなら、最善を尽くしたい。知らずに死ぬにはもったいなさすぎるから。
アルコールや女の人、クスリ、セックス、世の中には色々あるけれど、愛するきれいな水があれば、それだけで決まることも時にはあるということを。





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