2016年12月30日金曜日

国境



やるかやらないかだけだといつも思う。
やっているか、やっていないか。
考えているか、動いているか。
言葉に誠実か。
思考は行動で体現できているか。
何のために今、ここにいるのか。明確な答えの有無。

あるときからある友人に何も言わなくなったことを思い出した。
その友人は会う度に言うことが、やりたいことが違った。
まあ、その時々で本当の気持ちだったのかもしれないが。ヘタクソなのは構わない。しかし、うそつきは嫌いだ。やらないなら容易く言葉にしてくれるなと言葉教は思ってしまう。
「この前言っていたことは何だよ!」
会う度、ツッコんでいた。言葉には責任を。それを聞いた人間は少なからず期待する。ぼくは過剰に期待しては勝手に落ち込みまくっていた。いつしか裏切られることに疲れ、期待することをやめた。諦めた。逃げた。途端、楽になった。
今になって思えば、「正義」はそれぞれ。ぼくの「よかれ」は彼には不要だったかもしれない。
「親切という名のお節介」という言葉もある。
今年は特に人との距離感について、深入りしすぎないように、が課題であった。しかし、意識をしてはいてもぼくはついつい口を出してしまう。そんなもんじゃないだろう?と思いたがる、信じたがる節があるのだよなあああ。うーむ。

後に長年の付き合いを解消しようかと悩んでいた彼の恋人と偶然街で出くわした。
「アイツに何の魅力も感じられなくなってて」と嘆いてきた。
色々話していく中で、実はぼくはずっと彼に言い続けてきたけれど一行に変わらなかったからある時から諦めてしまったこと、一番影響を受ける恋人であるあなたという人がありながら申し訳ないことをしてしまった、と謝った。
ふっと彼女の肩の力が抜け切ったのが分かった。
「あべくんがそこまでしてくれても駄目だったんだ。そっか、最後の頼みの綱だったんだけど。知りたくなかったなあ。」

それから程なくして二人は別れた。

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