2016年3月19日土曜日

いつかは冷める恋と冷めてもおいしいコーヒー


開店前。その日毎に変わる豆の顔色を窺いながら、ネルドリップでコーヒーを丁寧に淹れる。



この儀式の安否がその日のぼくの心模様となる。

味が決まったときは最高。

しくじったら、何が悪かったのかぶつくさ記録をとり、申し訳ないけれど、今のオレはこんなもんだ、と事実を潔く認め、腹をくくるのみ。失敗したって、予定通りに店は開けるものだ。
しくじっても、一定のラインはもう越えるようになっているから安心してください。

自己満の世界。

今日のコーヒーは今までで一番、素晴らしかった。
思わず、「うまい!」と声が出た。

コーヒーは知れば知るほど分からなくなっていく魔性の生き物で、まつり期間中はドツボにはまり、コーヒーを飲む人の反応を見るのがおっかなかった。


毎日、淹れること。これしかない。

毎日、漕ぐこと。

毎日、書くこと。

ひとつ、ひとつずつ、取っ組み合うしかない。

好きなことは毎日やる。好きなことだから、毎日やれる、やりたい。
今、やりたいのにやれずにいることは、言うほど好きじゃないからだとぼくは思う。
本当に好きならもう、手の内にあるはず。

本格かどうか、試されている。

「好き」だけは無理せず、我慢せず、誤魔化さずに真っ向勝負を挑み続けていたい。

オレの「好き」をなめるな、と。
一体、何と闘っているのだろう。多分、自分。

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