2015年8月30日日曜日

満月 How many ピークス

昨日、「ようやっと山を越えた」と、乾杯のソフトクリームを食べたけれど。
昨日は嬉しくて、帰りもどるふぃんとの買い出しの車中でも、ひたすら森山直太朗が十代のときにつくったという「夏の終わり」をハードリピートしていたわけだけれど。


それは、夏季限定【ファミリーカヌー】ツアーにとっての山であったことに今日ふと、引き続き文字だらけの予約台帳を眺めて気付いてしまった。

毎年秋は、気を張り続けた夏の無理がたたり、身体からのクレームに耳をすませざるを得なくなるのが常。
が、しかし、今年はそのタイミングも見誤らないようにしないといけない。
レギュラーツアーはSotocafe一本だったのだが、九月からは嬉しいことに二本立てとなる。

四月から始まった2015カヌーシーズンは春からずっと「夏」(=季節というか、「怒涛」の意)のまま。




どんな仕事も大変で、どんな仕事も等しく尊く、誰が偉いでもすごいでもないと、ぼくは常に思っている。
まあ、しんどいとき、自分が一番かわいそうな気がしてしまうのは未熟者の証だろう。

「カヌーガイド」という仕事はとある国では憧れの仕事で国家資格の仕事だったりするけれど、
この国ではとかく軽視されがちで、これまでにもいろんなことをいろんな人に言われて、その都度惑い、怒り、なんじゃなんじゃとあっちにこっちに反抗しながら上を向いてやってきた。
まあ、年中浮いているわけだから軽く見られるのも無理はないだろうけれど。
陽気に浮かび続けるために陸に置いて来たモノだってないわけではないのです。

頑張るのは、どの仕事も同じだろうけれど、何でかお金とか待遇とか、そんなことでばかり測られて、それがその人自体の価値に成りすまし詐欺が横行している。

なんか、変だとぼくは思う。


心で測りたい。心で測られたい。

1ストロークで近づきたい。

2015年8月29日土曜日

嗚呼、青春の休暇村時代


2011年かのあ本格営業開始時、ツアー集合場所は「国民休暇村支笏湖」の駐車場だった。


 『いつからあのお店なの?』
と、親しみを込めて聞かれると、やけに嬉しくなってしまう。

ぼくのくだらない身の上話や、そのときツアー中にハマってよくやっていた遊びがお二人にはとても印象的だったと。
その遊びも、ツアー中にあるお客さんと編み出したものであることを明かした。

今年は一・二回しかその遊びも見せなかった。


ぼくらにとっては日常だけれど、たった1ツアーも、おろそかにできないなあ、と改めて。



「カヌーを漕ぐのは【かのあ】で。」


丁寧にやってきて良かった。
その頃ぼくにはカヌーしかなかったけれど、カヌーしかなかったから、半年間ずっと目の前の仕事だけに全てを注げることができた。





午前、やけに濃い愉快なお客さまが集まったので、普段の個人的遊びモード全開で。

橋下に次ぐ今年のマイブーム。

午後からは、今日も友だちがやって来た~ほーりー編~





太陽の位置がどんどん動いていく。

本日、夏のピークを越えました。
クソ眠いけれど、倒れてはいません。

「メメール」のソフトクリームでお疲れ様なのでした。


陽だまりのテラスと千歳川


2008年。
最初、ここに来たのも夏だか、夏の終わりだったかのように思う。
千歳川。恋に落ちたことにそのときのぼくは相変わらず気付いていなかったけれど。目印はメルカードきむら。なんだそりゃ、と思った店。今となればいっちょまえに常連さん。
人生なんざ、分からないものだ。

そのときも今も、隣にはなおきさんと、ごーちゃんがいた。


内観も外観も素晴らしく物語性を持っていて、
たまたま店長さんがカヌーに乗りに来たことで、家のそばに素敵なカフェがあったことを三年ぶりに思い出させてもらった。

足しげく通ったわけではないが、【陽だまりのテラス】は2013年年末に閉店してしまい、ぼくもその後、引っ越した。
素敵な建物は何にも変わらずこじんまりと佇んでいて、毎日それを眺めるのが好きだった。
住むには狭いかな。店にはちょうどいいよなあ。

少し前にシンボルツリーが切られて、どうしたのだろうと思っていたら。

昨日の朝、オレンジ色の恐竜に襲われていた。
衝撃的な画に、眠たい目もさすがに大きくなった

昨日の夜、建物はなくなっていた。

すべての物事は移ろう。
変わり続けるなかで変わらない、変われないものは自分の中に。

この水より合う水を、多分もうぼくは見つけられない。

この川のそばにいられるなら、何でもいいや。
二十歳の恋は、今も尚。静かにずっと。

人には水が必要で、それがぼくには君だったのだろう。

さて、今日もぼくは、君の源、支笏に行くよ。



2015年8月27日木曜日

あと四日


店番長不在のため、店番長。
ぱっとしない天気なので支笏からの誘惑もあまり気にせずに済んだので助かった。天気がいいとウズウズしていてもたってもいられなくなってしまうから。

一人で店にいると一息もつく暇を持てないままに朝から夕方まで駆け抜けるよりほかにない。
よく鳴る電話。飛び入り。予約メール。見送りと出迎え。ツアー受付。荷物預り。コーヒー淹れ。洗い物。…

店での静かなる闘いは、メリハリのある水の上に比べ、地味だが、確実に水の上よりしんどい仕事だとぼくは思う。
鳥かごの中の鳥みたい。
なおきさん、ほーりー、ぼくが現場に出られるのは、店を守るどるふぃんがいてくれるから。

何もかもが当たり前ではないことをぼくらはついぞ忘れがちだけれど、そういうことほど、忘れてはいけない。

感謝。

一日五回、てんこ盛りどたばたツアーの終わりが見えてきた。

あと四日。一日の終わりにはカウントダウンをしてニヤニヤしている。
それぞれに何かしらかを背負いながら、たまに弱音や愚痴や物まねをし合いながら、荷物の重さに潰されそうになりつつも、頼もしき助っ人たちにこれ以上ないタイミングで手をさしのべられながら、倒れることなく、みんなどうにかここまでやってきた。
今までの夏なんざ、今年に比べたらかわいいものだったのだなあ。

夏が終わるが先か、ぶっ倒れるのが先か。
勝負が見えてきているではないか。わっはっは!

2015年8月26日水曜日

2015かのあコレクション

眠すぎてあまりぐっすり眠れず朝方四時。目覚めしなに、突発的いももち製作開始。

あんびりーばぼーな行動に開いた口がふさがらない。

フリースベストの季節がやってきた。


エントリーナンバー1。
代表、なおきさん。怒濤のファミリーカヌー隊長。
photo by どるふぃん。


エントリーナンバー2。
記念撮影スポットにて得意の無表情でビシッと決めてくれた店番長、どるふぃん氏。いつもありがとー!



エントリーナンバー3。ぼく。

一日水の上にいたことで得た今日の学び。
美しいものを美しいと唄うことは得意だけれど、そうでもないものを美しいとはやはりいつまで経っても言えるようにはならないし、なる気もないし、必要もないのだ。

カヌー馬鹿、しゃべくりおじさん、音楽馬鹿、物書きぶりっこ…
色とりどりなガイドが揃っておりますので、好みのガイドをご指名してくださいね。

今度、総選挙するとかしないとか。

 


夕方の草原。赤い馬。
美しいのはおねーさんたちか、はたまた水草の森か。

答えは当然‥


ラストは太陽がお出まし。

心安らぐ家族の風景。


サンダルの時代遅れ感が否めない。
すいません、サンダル優勢なお客さまたちを尻目にぼくは長靴を履いてしまいました。


【動画】Soto Cafeカヌーツアー。




太陽がなくても、風がなければ、カヌー日和。

ほりガイド。

2015年8月25日火曜日

9/19(土)AM、湖の日

2011年のてやんdayトップ画はこんなでした。普段のツアーではたどり着けない場所。
支笏湖は広い。



なかなか行けない支笏湖南西部、美笛方面でのツアーへのお誘い。

温泉街を漕いだことのある方にこそ漕いで欲しい。

入り込む川はあるわ、水の色も違うわ、なかなか行けないお気に入りのフィールドで遊びませんか。

詳細はこちら↓
湖の日

2015年8月24日月曜日

処暑 今日も友だちがやってきた


去年、こんなスツールをつくった。


次期恵庭のドン、宮大工村上大先生と若き建築家夫婦共催のラノベプロジェクトにコーヒーに導かれ、参加したのです。

細部にこだわることが完成時の美しさにつながることや、ダンドリの大切さを身をもって学んだ。

アバウト極まりなく、脱力モード全開人間には、目から鱗の新世界だった。

今取り組んでいるケーキ製作にも通じる道だったとは、そのときは思い至るはずもなく。

そんなこんなを思いながら、去年あれこれ教えてもらった代わりに今日はぼくが支笏湖をご案内。

無風。

沈黙も味わう。喋るよりも喋らない時間で支笏が語ってくれていたように感じられた。

「素晴らしいお仕事ですね」
と、言われた。

今日もtrip感全開。時間も何も超えていた。

午後からはどんどんシステマチックになっていくケーキ製作。
お菓子作りは道具で決まる。料理上手は片付け上手。
先輩たちからもらった言葉を繰り返しながら、たまに鳴るどるふぃんのエロティックなギターがBGM。

あと一週間。




2015年8月23日日曜日

大所帯Sotocafeとべんべ託児所

Sotocafeは、ほーりーなりぼくなりが単独で出るパターンが多いので、賑やかに行くのは久しぶり。


いつもは、ぼくらだけな水の上も、今日はSUP(Stand Up Paddle)からカヌーから何だか賑やか。


いつもより言葉少な、背中で語るほーりー。


大人モードなSotoに珍しくちびっ子も混ざっていまして。
まあまあなんだか大変そうなので、途中からぼくのカヌーへお誘いすることに。


さっきまでのぶーたれ顔はどこへやら。
ちびっ子たちは素直。

午後も引き続き湖へ漕ぎだせました。


 ヤングなお客様たちを引き連れる隊長。



いくつになっても、友だちは友だち。遊べるうちにたっぷり遊ばないとね。


2015年8月22日土曜日

支笏がぼくのツアーをお膳立てしてくれた

一日、凪いだ水の上。

幸せは、歩いてこない。だって、水の上にあるのだから。




カヌーは難しい。
最初からうまく漕ぐ人はいない。

まずは、できないことを身体で感じてもらうところからツアーは始まる。
すぐに駆け寄りたい気持ちをぐっとこらえて見守る。



水草が例年以上に美しいのは、暑い夏だったからか。



湖の色も、夏を越えて秋色になっている。
どう説明すればいいかはとても難しいけれど。



支笏に合わせたのではなく、今日はぼくのタイミングに、支笏が合わせてくれていた。

ここがぼくの庭。女神の微笑を感じながら。



夏を越えたから出るピンボケ色。夏前はコントラストが強めでメリハリある色となる。



昼間。デキる助っ人にコツを伝授しつつ、ケーキ製作。
二人だと早い。


午後。久々の暑さに悶えながら。といっても本州勢は涼しげ。


支笏っ子とカヌー。


どんど、暗くなるのが早くなっていく。


2015年8月21日金曜日

告白


好きになっちゃいそう。

帰りしなにそんなことを言われたのは初めてだ。
うろたえずに、去り行くその人に手を振り見送る。
その人は気恥ずかしそうに目を逸らした。

まるで、本当に恋をしている素振りにドキッとする。

夏の終わりの背中を見守りながら。




ガイドとしてちまちまと積み重ねてきた自尊心は、店にいると傷ついていく。whyが増える。

外にいると中に入りたくなくなるし、中にいると外がかったるく、どちらかが一方にはお荷物でしかなく、ちょうどよいあんばいを見出だせずにぐだぐだとここまで来てしまって、ケーキに夢中なのは、傷口をなめるためなのかもしれない。

目立ちたくて生きてきたわけではないが、いつも気づけば、人のいない道いない道に導かれ、意思とは関係なしに浮いてきた。
嫌でも浮いてしまううちに、いつしかぼくは注目を浴びることに依存していたのだろう。ガキ臭いが自分が一番目立つ場所にいないと駄目なのかもしれない。

ガイドと店は、ベクトルがかけ離れている。そのため、役割分担をしているところが大半だ。簡単に兼任できることではないのだろう。

Please tell me 二つの円の重なり合うところ。そこを見つけられないなら、多分ぼくにここにいる意味はない。

素足が見た目に季節外れな秋。愛想なしの君が笑った。放課後のチャイム、まだ帰りたくない。唄うような君の声に耳をすませる。窓からさしこむまろやかな日差しに目を細めつつ、君の横顔を盗み見やる。
君の顔が好きだ。たまたま一緒の二人きりの帰り道。みんなといるときにはいくらでも笑わせられるのに、今のぼくといったら情けないことにどきまぎして目も合わせられなくなってしまう。いつものことだ。ラフなツアーが今のぼくには性に合っている。あまりちやほやはしない。対等に、適当にスケッチしている。
好きな人のことを好きだと気づくのが遅いのは昔から変わらない。あと何回踏ん張れば夏は終わる。会いたいとあちこちから声が賑やかだ。サービスしに秋に一度東京入りするか。





2015年8月20日木曜日

身を削られる、まさに命のケーキ


眠たすぎて、早く起きてしまった。

今のぼくの頭の中の7割はケーキ。あとの三割は、あなたのこと。

やると言ったら尽きさせるわけにはいかない。終わらない追いかけっこに挑む。見えない圧。



5:30
お店にて豆腐の水切り開始。ハーモニカとギターをどちらも人様に聞かせるに堪えないレベルでかき鳴らしながら、ラッピング作業の準備やら何やら。クッキングシートをきれいに切れるようになった。

6:30
混ぜ混ぜ作業開始。

8:30
午前ツアー開始前。カヌー運びをお任せして、二回分の焼き作業終了。
こちらも終わらない追いかけっこ、メール返信しつつツアー受付。

9:30
ケーキを頭の中で引きずりながら、Sotocafe【AM】久々の一人、メインガイド。
現実のケーキを消し去ることができず、夢の世界へお客さまをお連れすることができなかった。昨日が素晴らしいツアーだっただけに、落ち込む。しかし、荒れてばかりで川の中にいることが多かったので久しぶりの湖、広いなあ。

12:00
ツアー終了後、冷めたケーキにすかさずアイシングを施し、しばし夢の国へふっ飛ぶ。栄養ドリンクに手を付ける。

13:30
Sotocafe【PM】。
毎年同じ時期にやってくるご家族との再会も。かわいくなっちゃって。
常連さんの応対をするときは、嫌でも気持ちが入る。
この頃リピータづいている。「モチベーション上がるよね」となおきさんと。


雨上がりのように澄んだ空を眺め、夏の終わりを嗅ぎながら、スローモーションで映像は進む。

負け戦からどうにか気持ちを持ち上げられたのも常連さんのおかげ。上出来上出来。

16:00
Sotoツアー終了。

家族旅行の恒例行事に組み込んでもらって数年。また会いましょう。

16:30
ケーキカット。

ここから先のラッピング作業をどるふぃんにお任せして、

17:15
なおき隊長のファミリーカヌーツアー最終回終了後、現場の片付けへ。今日もカヌーがいっぱい出た。

18:00
ラッピング作業手伝い。精算やら店じまい準備。最近やるようになった報告会。朝の記憶がおぼろげなのは僕だけに限らず皆いつものことか。

19:00
解散。シカに怯えながら車を走らせる。

19:30
ケーキ材料買い出し。毎日スーパー。主婦か!

午前・午後メインガイドを張りながらの40人分のケーキ製作はできなくはないけれど、もう二度とするもんかと誓った旧七夕の節句。

自主性を重んじられるかのあ。
聞き分けの悪いワタシのことをよく御存じなのか、あまりうるさい指示は飛んでこない。別に誰にやれと言われているわけでもない。

どれだけ自分を苛めれば気が済むのか。
ピンと張った糸があと11日間は切れないように最善を尽くすのみ。




2015年8月19日水曜日

「いつかおまえのジュテを見せてくれよ」


タイトルは金城一紀さん、SPEEDより。


共鳴すると、互いに気持ち良い。

常々味わってもらいたいと思っているtrip感。
クスリやお酒がなくても、裸にならずとも、人は飛べる。

時間軸や、空間、あらゆるものから解き放たれ、自由になっていくえも言えぬ快感。

陸がしんどければしんどいほど、水の上で高く、長く飛べる。

カヌーの悦び。

ぼくがカヌーに出会ってから得てきたエッセンスを臭くない程度に、わからない程度にさらりと染み込ませる。

陸のおかげで水があることを例年以上に噛み締めながら、ガイドとして、表現の質をどこまで高められるだろう。
去年までは見えてもいなかった世界に手が届きそう。

中毒性の高すぎるカヌーの虜が今日もまた…。

2015年8月18日火曜日

ウィスキーケーキ作りとカヌーガイド業の両立


Which do you like better?


今年最初の秋雨が降り続いた今日。
夏の雨は笑い飛ばせるが、春と秋はそうもいかない。

今がチャンス。
命のケーキを頼もしき助っ人さんたちを抜きにして、初めて完成させた。

やればできるのだなあ。試みることが大事だと、たった三、四日分でしかない本数を焼きあげて思った。

「ひとりでできるもん」?あほか。そこに至るまでの過程を思えばそんな愚かな発言は口が裂けても言えない。

ひとりじゃできないから、いろんな助けを借りたから、「ひとりだけれど、ひとりじゃないもんケーキ」。

何でもそうしてきたが、よく分からないことは、その道の達人に聞くのが近道だ。


ケーキ作りもカヌーガイドも、とてもcreativeな仕事だ。

ただ、異なるのは、意識の向かう先。

内向きか超外向きか。自分だけの世界か、一緒に作り上げる世界か。予定調和か、予定は未定か。大事なのはダンドリか、一瞬のまばゆい感性か。

対極にあるこの二つの作業を同時にこなせる人間なんているのだろうか。聞いたことがない。思い当たりもしない。
どちらかに才のある人間はもう一方の世界では才のない人間となる。


「前例がないならつくればイイ。君が前例になればイイ。」

高校卒業目前に出会った、ぼくの千歩先を行く憧れの人からもらった言葉。

では、ぼくがそうなるより他にないか。

何の因果か、酷くアバウトで予定や約束を守れない人間が、人様に食べてもらうケーキを作り始めた。

アバウトでは許されない。
去年は宮大工さんに学んだことを今年はケーキが口を酸っぱく言ってくるようだ。
予定を立てなければ、ケーキは尽きる。完成図に向かう算段の重要性。


現場に出る人間の気持ちは嫌というほど分かる。
「いってらっしゃい」と見送られ、「おかえりなさい」と迎えられたい。というか、「しろよ、ツアー時間分かっているよね?」と、当たり前ではないのに当たり前な気がしてしまって、どうしても亭主関白モードになりがちだ。現場は偉くもなんともない。いやはや、去年までのぼくに教えてやりたい。勘違いするなよ、水の上なんざ甘い甘い、と。

店は店でやることが多い。自分のペースで作業を進めることができないというのは、苦痛だ。

そう考えると、我が母は、かのあお手伝い期間に素晴らしい働きをしていたのだなあと改めて思う。忙しなくあれこれ動き回っていたが、いつでも、ツアー前後の「いってらっしゃい」と「おかえり」は徹底してやっていた。しかも、何でもないように。

何を大事にしているか。していたいか。
お客さんが感じるのは今年からはツアーだけではないのだ。
店に必要なのは献身的なる包容力。水の上よりずっとホスピタリティが肝となる。

途中、やけにフレンドリーな来客。「店内、だいぶすっきりさせたんすね!」

お?いきなり再会の喜びを込めての握手に戸惑いつつ会話の中から記憶の糸を手繰る。

‥あ、あの日の遅刻な二人、か!

あの日のてやんday→半そday

あれこれ背負いすぎてパンクしかけの六月に、水上での喜びを噛みしめさせてくれた方でした。

ふらりと立ち寄ってくれるのはお店があってこそ。
些細なことのようでとっても嬉しい出来事でした。

2015年8月17日月曜日

パティシエスイッチオン


行き帰りが眠たくなってきた。みんな、それぞれにギリギリをとっくに超えている。

あったかいごはんが食べたいので、ふるまいたい方はかのあへ、または個人的にぼくの家へどーぞ。

ドタバタの日中にできる気がしなかったので開店前、こっそりと昨日焼けたケーキにアイシングを施す。鶴の恩返しか。

そこから、カヌー準備。よいこらわっせ。


ん?んん?


氷濤まつりに突如として現れた金星、【中央ボート】所属の我らが「たんたん」は、夏場はスワンボートと水上チャリのレンタル業を一人で回しておりますので、通りがけの際は黄色い歓声で応援しましょうそうしましょう。




川底に沈んでいた木の根っこに命を吹きこむ職人さん。


数日前にトップギアに入りつつあったぼくのガイドスイッチはパティシエスイッチにシフト。
たまのツアーをお客さんのように眺める。

現場に出るにしても、陸地のあれこれが気になって集中できないのでサブガイドパターンが多い。
人のふり見て‥なんてよく言ったもので、そのおかげで、発見や気付きも多い。

話す技術。
聞き苦しくないトークは、誰でもができるわけではない。

みんな、自分のツアーが一番だとそれぞれに思っているのだろう。勿論、ぼくも自分のつくる空間こそが最高だとしれーっと思っている。


それにしても、水の上にいる時間が今年ほど少ない年もない。
「自分の庭」感が希薄だ。
支笏がすねているのか、はたまたすねたいのは己か。

物理的距離は、精神的距離とイコールではないけれど、全く無関係ではない。

好きなら、「好きだ」と言うよりも早く、ただ、会いに行く。
ぼくはそう思い、それを実行してきたつもりだし、これからもしていこうとも思う。

勘のいい湖(こ)だから、何でもバレてしまうのだろう。
にしても、いやに情緒不安定な湖。

ごめんよ、いつまでも同じぼくではいられないんだ。


アイシング工程が終われば、あとは包装職人どるふぃんが仕上げてくれる。

自分の時間軸だけで集中して制作できないのが厄介だが、できることを増やしていくのはいいことだろう。

できないことは、多分、やっぱり、ない。

かのあなお店の売れ筋商品


明日からのSoto cafeウィスキーケーキは、助け合いケーキとなります。

店内での一番の売れ筋商品はは、黒Tシャツ。


大人、2500円也。子ども用はもう少し安いよ。

人の数だけ見え方が変わる。
助っ人がささっとカヌー布を敷くと、キュートな仕上がりに。


思い思いの表現の場。
水上ではおっかない風ですが、、店内では四方八方からの新風が必要。

得意なこと、不得意なことは皆それぞれに持っていて、何がすごいという比較は何の意味もなく、それぞれの能力を遺憾なく発揮し高め合い、補い合う。

‥ん、これはどこかの氷のお祭り制作に通ずる思想ではあらまし。

お盆休みも終わり、慌ただしい問い合わせの山も越え、まだまだ続く夏の中ではありますが、秋からのわくわくプロジェクトの数々についてあれこれ考えています。

2015年8月15日土曜日

命のケーキをつなぐのだ

夏前に、もしものためにと自ら名乗り出てなおさん直伝のウィスキーケーキ(別名「命のケーキ」)の作り方の流れを教わった。



例年に比べ、夏Sotocafeの定員数は抑えているのだが、それでも、毎日ケーキはごそっとなくなっていく。

気付けば、明日でケーキがなくなろうとしていた。
既製品で代打とするわけにはいかない。
これは、なおさんが限界まで作り続けた世界一のウィスキーケーキ。

指をくわえて命のケーキが尽きるのを茫然と受け入れるわけにはいかない。

やったことがないから、できないだけだ。とりあえず、やってみよう。
ぼくがやらなければ、ケーキの命は尽きてしまう。

消してはいけない灯を一人で守るという大業をさて、ぼくは成し遂げられるのだろうか。

すると、強力な助っ人たちが現れた。‥というか、すぐそばにいた。

レシピと記憶を頼りに、お菓子作りの頼もしき先輩たちに、さまざまなコツを教わりながら。



(photo by 命のケーキ職人)

なおきさんがみんなにくれたご褒美は、サンセット後カヌー。



仕事と遊びの境界はなく、大切なものが全部、ここにある。

終戦の日。平和と友だちの誕生日に吹きならしたしゃぼん玉。カヌーと月。暗闇と音。
切っても切れない人と人。

すべてに感謝。



2015年8月14日金曜日

いい天気やないかい


毎日が満員御礼ファミリーカヌー。


今年はやる気に満ち溢れているお客様たちのおかげで、集合がとってもスムーズ。
最近の説明艇は、なかなか出会えないアイボリー、パスファインダー。


仕事をしているフリが上手な御二方。
実は、Wなおきだったりします。


水の上の、支笏っ子(支笏湖生まれ、支笏湖育ち)。
生まれ育った場所を美しいと感じられるって幸せだよなあ。



ユーモアを忘れずに、きょーつけ。今日もファミリー三連チャンの隊長。


川を取り囲む緑が少し疲れて見えるのは、紛れもない秋の気配とやらだろう。


さ、明日で折り返し。

広島、長崎、原爆からの、明日は終戦の日。とある友だちの誕生日。

川内原発再稼働。な、なんでやねん。あほちゃうか。

忘れていいことと無視してはいけないことが人の道にはある。