2015年3月7日土曜日

春労働の唄


春を伝える三度目のベタ凪
そびえ立つ恵庭岳がぼくの富士
防寒ツナギは脱ぎ捨て 薄手の夏物へ衣替え
素晴らしきこの景色に皆 目もくれず 好天の中 冬の余韻を片付けていく
終わったまつりに引導を渡せ
冬は終わった 汗をかきかき動き回る
待ち時間には雪玉が飛び交う
妖精は宙を舞い 仲間に手を振る
身体に蓄積された疲労は色濃いはずだのに 笑い声は途絶えることを知らない

夏に向かって 日毎に伸びる日
明るいうちに家路につけるだけで妙に浮き足立ついい大人たち
いそいそとパチンコへ向かう者がある
いつもは呑まないお酒に手を伸ばす者もある
季節は春  酔っ払うなら陽気でnight
大人っていいもんだ

そわそわ ざわざわ 躍っているのか波立っているのか
賑やかな心の舵取りはいつまでたっても上達の兆しがないけれど 心の向かう先は いつも同じ 馬鹿のひとつ覚え そう 馬鹿は学ばない
誰の言葉よりどんな統計より何よりも 己の感度にこそ宿る生命
真実は心だけが知っている


春は平等に皆にやってくるから好きだと壇れいが言う

恵みの春が誰の心にも訪れることを願わん




0 件のコメント:

コメントを投稿