2013年1月20日日曜日

投げない【匙屋】(国立)

ふと思い立ち、お気に入りのmy匙(さじ)の手入れをお願いしに、国立匙屋へCUBを走らせた。


あったあった。変わらない佇まいが嬉しいなあ。


ちょうど、今日は「スープの日」だったようです。
途中で、国立と国分寺を混同してしまったりで思いのほか時間がかかり、僕は昼飯を食べ損ねていたので、ツイていました。

スープをつくっていたのは日野市・豊田駅の、カレー屋さんドードー。冷えた身体が芯からあたたまりました。
お隣のこれまた美味しいパンは、国立のパンとお菓子のお店mimosaさんということで。
スープよりあたたかい?人と人とのつながりがなければ完成しない、一日限定特別メニューでした。



大きな南向きの窓兼入口から差し込む光。今日も東京はいい天気です。

お店・匙・人‥醸し出す雰囲気、大切にしているもの、伝えたいメッセージ‥、
すべてが自然で、決して押し付けるでもなく、でも、確かに感じるぶれない強さ。


(↑匙屋HPより写真転載)

ここの匙を使うと、他の木のスプーンが使えなくなります。優しいのです。あたたかいのです。美しいのです。



イベントもちょこちょこ行われていて、他の作り手の作品も展示されたりしています。


 忙しそうだなあと思いつつ、店主さんと少しお話をしました。

父と匙屋と僕のこと。お金のこと。

明日にでも旅立つことのできる僕を、店主さんが羨んだ。
そうか、僕の日常はみんなの日常と必ずしもイコールではないんだ。僕がこのお店を素敵だなあ、拠点があるっていいなあと思うように、自分を換金化できずにいる根無し草の僕にもいいなあと思われるモノがあるわけで、手元にあるモノをもっと大切にしないといけないのだな、と。自由な時間も慣れると、苦しみの元にしかならないから。

『やりたいことをやって生きていくのは本当に難しいですね』と、ついつい愚痴ってしまったら、
「もうやりたいことでやっているじゃないですか」と笑いながら返された。

そうか、確かに、そう言われてみたらそうか。しばらく、やりたいことしかやっていない。やりたくないことはこれっぽっちもしないで、今のところは生きてるぞ。それだけでもひとつ、才能ではないか。
「とりあえず」は、成立していて、今取り組み始めているのは、[脱「とりあえず」]というか。質の向上というか。第二ステップへの移行期間というか。似合わないかもしれないが、少し欲が出てきているというか。それはきっといい意味での変化であって。曲がりなりにも社会に適応しようと、役立つ道を、活かせる場所を模索し始めているというか。

夏の間、お客さんにどれだけ僕の暮らしを「いいなあ」と言われてもさほど感じなかった。だのに今日、店主さんに「いいなあ」と言われ、素直に受け入れている僕がいる。今日は“縁”日だ。


その後、匙屋さんで頂いた生情報を頼りに国立駅周辺を散策。
たまたま第三日曜日に開催されている「ニチニチ日曜市」(製造者直売による月に一度の日曜市)を冷やかし、
お次は、匙屋の手ぬぐいをデザインしたというフジカワエハガキへ。


匙屋→ニチニチ日曜市→フジカワエハガキ。ここにたどり着いた経緯を説明すると、「なかなかコアなルート取りですね」と認めてもらい一気に距離が縮まった。ワイファイやらのネット話から仕事のこと、国立のこと‥、ここでもゆっくりお話をして、好みのポストカードを吟味した。
お店の営業日は、「毎週金・土・日」。
普通であれば、僕は人ごみを避けて土日はあまり動かない。今日はたまたま日曜日に動いたから、このお店にたどり着くことができた。


そうして、今判明したのだが、なんと、「匙屋」さんに初めて行ったのは、‥ちょうど二年前の今日、1月20日。
何の縁だろう。スープに始まり、第三日曜だったり、たまたま続きの極め付けだ。「何かあるな」と思わずにはいられない僕は単純だろうか。


二年前は、CUBではなく自転車で。ひとりではなくふたりで。相棒のはまだくんと住所だけを頼りに宝物を探すかのようにわくわくしながら、あっちにこっちにさまよったっけか。

そうそう、あの日も、たまたま、今日と同じように、良い天気だったんだ。




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