2013年1月16日水曜日

青山ブックセンター、ワタリウム美術館

僕はさして、体力があるでも力が強いでもない。
それでも、夏の間カヌーを毎日漕いで、重労働であるカヌー運搬を一日に何回もこなす。

湖と太陽が、僕の潜在能力を引き出していたのだと思う。身体は正直だ。
僕は実に感じやすく、実に脆い。


ベストコンディション時と比べて、今の自分のしょぼさったら。
比べるものが増えるほど、尽きぬ悩み。

身体が不調だと、心も引っ張られてしまう。身体と心、月と潮の満ち引き。

ここに長居してはいけないというmessageなんだろう。
もう少し、もう少し、やっておきたいことがあるんだが。


不気味だけれど、馴染み深い黒い影を背後に感じて、僕はまっしろい世界へ飛び出した。

新宿の田舎にも愛着のわかない建物が乱立していく。五年後、ここは静かだろうか。
五年後、果たして僕は生かされているだろうか、生かされているならば僕はどこで何をするだろうか。



雪はだいぶ溶けていた。


ファミリーマートだと思ったら、整骨院だった。


昼飯は、ちょい前から気になっていた塩つけ麺「灯花」@四谷三丁目。


カウンターの後ろは人っ子一人通ることのできない狭さ。大荷物ではしんどいね。お相撲さんも残念だね。

店内にはちょうど、ジブリジャズ。‥ここ、いい店ではないか。


つけ麺ではなく、ラーメン。700円。とんこつみたいな細麺。
ほどけ絡まる極薄チャーシュー愛好家としては、チャーシューには満足できなかったが、スープはいい感じ。
塩味は、シンプルゆえの奥深さがある。カヌーと一緒。

食べ終わると、大好きな「カントリー・ロード」が流れてきたので、気をよくしてチャーシュー丼100円を注文。
スープに浸っていて、まるでねこまんま的不思議丼でした。
次回はつけ麺を試してみます。


歩く、歩き、そして歩く。


「頭上雪が落ちます 注意して下さい」?

ここはALWAYS三丁目の夕日的庶民派住宅街だな。なされるがまま、上を見る。


ほんまや。昭和の人は嘘つかない。



神宮外苑へ向かう。小学生のときから見慣れているこの景色が僕はたまらなく好きだ。

線路や、橋、常識に当たり前。
何かを越えたり渡るとき、どうして胸は高鳴るのだろう。


神宮内で、車が雪で動けなくなっていた。
普段ならすぐ声を掛けるのに、今日は自分の便意を優先してしまった。生理現象だから致し方ない気もするが、いろいろ、大切なアンテナが鈍ってきているなあ。自覚症状があるだけマシ、か。

透明な膜が、うっすらと。

歩いている間、何を考えていたのか思い出そうとしているが、全く思い出せない。
何も考えたくないから、歩いていたのか。

青山ブックセンターに行ったのは、
新政府書店ボアンカレ坂口恭平さんと天才4人による「生き残るための技術」選書フェアで、石川直樹さんが何を選んでいるかを知りたかったから。
好きな人たちはすでにつながっていたのだ。

書く人は、読む人だ。石川さん推薦本は、どれも読んだことのない本だった。

中学生のとき、石川直樹さんの存在を教えてくれたのは、父だったことをぼんやり思い出した。

で、またワタリウム美術館へ。
森本千絵さんの作品をゆっくり見た。遊び心のつまった展示。全部を見ることはできなかった。また行かないと。
素敵すぎる。表現は、するものではなく、せずにはいられないもの。表現は、喜び。
難しいことは何もなく、解き放つことができるか否か。いや、解き放ちたいか否か、か?


で、初回パスポート(チケット)で何度でも入場可能な坂口さんの作品を見た。

スクラップされた記事、全てに目を通した。

「社会をあまり変えようとするんじゃなく、視点を増やせ、視点を広げろってことなんです。」
(メンズノンノ)

今、坂口さんは鬱状態に入っていて、青山界隈で行われるはずだったイベントが続々と中止になっている。
皆勤賞が当たり前とされている世の中だけれど、無理をする必要なんてないと僕は思う。
生物、ヒト。自然なのはどっちだろうか。


弱さをさらけ出す坂口さん。すべてを晒している振りをする僕。強いのは、僕ではなく坂口さんだ。

この前の七尾旅人LIVEからずっと、これからの姿勢を試されている気がしているんだ。



0 件のコメント:

コメントを投稿